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緑内障で障害年金をもらう方法

緑内障とは目から入ってきた情報を伝達する視神経という器官に障害が起こり、視野が狭くなったり部分的に見えなくなったりする病気のことです。
中高年の人に起こりやすく失明する可能性もありますが、早期発見と治療によって失明するリスクは軽減できます。

緑内障は障害年金の対象です

緑内障の原因

緑内障の原因はまだ特定されていませんが、眼圧が高い状態が続き目の奥の視神経が傷つくことが主な原因とされています。

しかし眼圧が高くない人も緑内障を発症していることから、他にも様々な原因があると考えられています。その原因とはまず、もともとの眼圧に対して視神経が弱いことです。

長期にわたり少しずつ視神経が傷ついていくことで発症する場合があります。また視神経の血流が悪いと視神経に栄養や酸素が届きにくくなるため、視神経が弱くなることがあります。

そして血縁に緑内障の人がいると発症リスクが高くなることが分かっているため、遺伝的要因がある可能性も否定できません。

一部の緑内障発症者に自己免疫疾患の有病率が高いことから自己免疫との関係性も研究されています。

   

緑内障の症状

緑内障の自覚症状は、かなり進行するまで気づかないことも多いです。

一般的に緑内障による視神経の障害はゆっくりと起こるため、少しずつ見える範囲が狭くなっていったり暗点が出現したりしますが、すぐに目の異常を感じることはありません。

さらに両目同時に進行することも稀なので気づきにくく、眼科検診で発覚することもあります。

症状が進行すると物が見えにくくなったり、視野が欠損したりと自覚症状がでてきます。

しかし急性の緑内障の場合は急激に眼圧が高くなるため、急な目の痛みや充血、頭痛や吐き気などが引き起こされることがあります。

この場合は失明や光を感じることすらできなくなる可能性があるため、早急に治療を受けなければなりません。

   

緑内障の予後

緑内障になり一度視力や視野が失われると、薬や手術によってもそれが回復することはありません。

そのため早期発見と適正な治療によって、それ以上緑内障が進行しないようにすることが緑内症治療の目的となります。

治療はまず点眼薬によって、眼圧下降の作用がみられるかどうかを判断し、眼圧下降が十分に出来ていない場合はレーザー手術をします。

レーザー手術は短時間で終了し強い痛みもなく、その後の日常生活の制限もほとんどありません。

点眼薬やレーザー手術も高い効果がなかった場合には観血手術を行います。

その他の治療方法としては、緑内障で機能が低下した視神経や網膜の働きを改善するために、鍼灸やサプリメントでの栄養補給、マッサージなどの血流改善があります。

SANTEN ホームページ

https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/library/glaucoma/

ドクターズファイル

https://doctorsfile.jp/medication/328/

公益社団法人 日本眼科医会

https://www.gankaikai.or.jp/health/49/03.html

ISHINKAI GROUP

https://www.ocular.net/treatment/glaucoma.html

     

障害年金とは?

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、 受け取ることができる年金です。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。
病気やけがで初めて医師または歯科医師の診療を受けたときに 国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取ることができる制度があります。

障害基礎年金【対象】
・初診日が国民年金加入期間の方
・初診日が、20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間の方
・老齢基礎年金を繰り上げて受給している方は除く
【要件】参考:クリアすべき要件
・保険料の納付要件を満たしていること
・20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、 納付要件不要
・障害の状態が、障害等級表の1級または2級に該当していること
【支給額】参考:障害年金の金額
1級 1,020,000円
2級 816,000円
その他、子の加算あり
障害厚生年金【対象】
・初診日が厚生年金保険加入期間の方
【要件】参考:クリアすべき要件
・保険料の納付要件を満たしていること
・障害の状態が、障害等級表の1級から3級のいずれかに該当していること
【支給額】参考:障害年金の金額
1級 報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級
2級 報酬比例の年金額+障害基礎年金2級
3級 報酬比例の年金額(最低保障612,000円)
その他、1,2級は配偶者の加算あり
障害手当金【対象】
・初診日が厚生年金保険加入期間の方
・国民年金、厚生年金または共済年金を受給している方を除く
【要件】参考:クリアすべき要件
・保険料の納付要件を満たしていること
・初診日から5年以内に治って(症状が固定して)いること
・治った日に障害厚生年金を受け取ることができる状態よりも軽いこと
・障害等級表に定める障害の状態であること
【支給額】参考:障害年金の金額
報酬比例の年金額×2(最低保障1,224,000円)

   

緑内障の障害年金認定基準

緑内障の主な症状として、「視力の低下」と「視野の欠損」が挙げられます。

これらの障害が併存する場合は、併合認定といって、それぞれの障害の程度を併せて判定を行います。

視力・視野の障害について、それぞれの基準と併合判定の方法をご確認ください。

   

◇認定基準

障害の程度障害の状態
1級【視力】・両眼の視力がそれぞれ0.03以下のもの
・一眼の視力が0.04、他眼の視力が手動弁以下のもの
【視野】・ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼のI/4 視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下かつ I/2視標による両眼中心視野角度が28度以下のもの
・自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が20点以下のもの
2級【視力】・両眼の視力がそれぞれ0.07以下のもの
・一眼の視力が0.08、他眼の視力が手動弁以下のもの
【視野】・ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼のI/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80 度以下かつI/2視標による両眼中心視野角度が56度以下のもの
・自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が40点以下のもの
・身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級【視力】両眼の視力がそれぞれ0.1以下に減じたもの
【視野】・ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼のI/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下に減じたもの
・自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下に減じたもの
障害手当金【視力】・両眼の視力がそれぞれ0.6以下に減じたもの
・一眼の視力が0.1以下に減じたもの
【視野】・両眼による視野が2分の1以上欠損したもの
・ゴールドマン型視野計による測定の結果、I/2視標による両眼中心視野角度が56度以下に減じたもの
・自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が100点以下に減じたもの
・自動視野計による測定の結果、両眼中心視野視認点数が40点以下に減じたもの
【その他】・両眼の調節機能及び輻輳機能に著しい障害を残すもの
・身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
・両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
日本年金機構H Pより:https://www.nenkin.go.jp/index.html

   

視力障害について

「両眼の視力がそれぞれ◯△以下のもの」とは、視力の良い方の眼の視力が◯△以下のものをいいます。

「一眼の視力が◯△、他眼の視力が手動弁以下のもの」とは、視力の良い方の眼の視力が◯△かつ他方の眼の視力が手動弁以下のものをいいます。

  

視野障害について

「ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼のI/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ◯△度以下に減じたもの」とは、ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼のI/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ◯△度以下のものをいいます。

「ゴールドマン型視野計による測定の結果、I/2視標による両眼中心視野角度が◯△度以下に減じたもの」とは、ゴールドマン型視野計による測定の結果、I/2視標による両眼中心視野角度が◯△度以下のものをいいます。

「自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が◯△点以下に減じたもの」とは、自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が◯△点以下のものをいいます。

「自動視野計による測定の結果、両眼中心視野視認点数が◯△点以下に減じたもの」とは、自動視野計による測定の結果、両眼中心視野視認点数が◯△点以下のものをいいます。

「身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とは、求心性視野狭窄又は輪状暗点があるものについて、Ⅰ/2の視標で両眼の視野がそれぞれ5度以内におさまるものをいいます。

併合認定

参考記事:障害がいくつかある場合:併合(加重)認定

  

緑内障で障害年金を受給するためのポイント

目が見えている人は、なかなか眼科に行く機会がないため発見が遅れ、自覚症状が現れた頃にはかなり症状が進んでいるというケースも多いようです。

また、症状があるものの現職中は忙しくて病院に行くことができず、退職後の受診で緑内障と診断される場合もありますよね。

【障害年金とは?】で説明した通り、障害年金は初診時に加入している年金制度によって、請求できる年金が異なります。

現職中は厚生年金、退職後は国民年金(or未加入)となるため、眼の症状のみならず身体に異変を感じたら、忙しくても現職中に受診することをお勧めします。

  

まとめ

眼の疾病は高齢者が罹患するイメージが強いですが、40歳以上の日本人のうち20人に1人は緑内障と診断されるそうです。

また、失明を避けるためにも早期発見&継続治療が必須である一方で、治療効果が実感できず治療を自己中断される方も多いとのこと。

治療の自己中断で恐いのは、いざ障害年金を請求しようとなった時に初診日の証明が出来なくなることです。

どんな傷病でも言えることですが、治療を中断することのリスクを充分に理解することが必要ですね。

   

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