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関節リウマチで障害年金をもらう方法

関節リウマチとは、原因不明の全身性滑膜炎です。

中高年の女性に多いといわれています。

初期のころは手足の指などに朝のこわばりや変形などの症状がみられますが、進行していくと全身の大きな関節も障害されていきます。

現在は薬物療法の進歩によって、ある程度進行を抑制できる病気です。

関節リウマチは障害年金の対象です

   

関節リウマチの原因

関節リウマチの原因はいまだに明らかにされていません。

しかし、遺伝的要因に細菌やウイルス感染などの環境因子が加わって発症するのではないかという可能性が示唆されています。

いずれにせよ、何らかの原因によって全身の関節の滑膜が標的となって炎症を起こす病気です。

   

関節リウマチの症状

関節リウマチの症状は、関節症候と関節外症候に分けられます。

関節症候では、関節のこわばり・痛み・腫れ・変形・可動域制限などが生じます。

初期のころの症状として有名なのが朝のこわばりです。

朝のこわばりとは、起床時に手足の指が動かしにくくなる症状です。からだを動かしはじめると朝のこわばりは消えていくことがほとんどになります。

関節リウマチが進行していくと、朝のこわばりだけでなく痛みを伴ったり関節が徐々に変形したりしていきます。

手指の変形(尺側偏位・スワンネック型変形・ボタンホール型変形など)や足指の変形(外反母趾や内反少趾など)、X膝などが関節リウマチの変形では有名です。

また、関節リウマチは関節だけでなく、他の部分にも影響が出てきます。

これを、関節外症候といいます。

関節外症候とは、微熱・リウマトイド結節(皮膚にできるしこりのようなもの)・貧血・アミロイドーシス・腎障害・間質性肺炎・むくみ・骨粗鬆症・腱鞘炎などです。

関節外症候には個人差があり、症状や程度は人それぞれです。

   

関節リウマチの予後

関節リウマチは一昔前までは難治性の病気でした。

抗炎症薬を服用して症状をおさえ、関節が変形しないように安静にしながら日常生活を送っていかなければなりませんでした。

また、関節の変形がひどい場合は人工関節を入れたり、装具をつけたりする必要がありました。

しかし、現在は薬物療法の進歩によって、発症早期からの積極的な治療による病気のコントロールが可能となっています。

変形してしまった関節はもとには戻りませんが、発症早期の方は将来的な関節の痛みや変形を薬でおさえられます。

   

松野丈夫・中村利孝:標準整形外科学第12版、(株)医学書院、2015

https://www.tateyama-seikei.com/disease/rheumatoid.html

https://www.matsuda-oh.com/treatment/017/

     

障害年金とは?

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、 受け取ることができる年金です。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。
病気やけがで初めて医師または歯科医師の診療を受けたときに 国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取ることができる制度があります。

障害基礎年金【対象】
・初診日が国民年金加入期間の方
・初診日が、20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間の方
・老齢基礎年金を繰り上げて受給している方は除く
【要件】参考:クリアすべき要件
・保険料の納付要件を満たしていること
・20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、 納付要件不要
・障害の状態が、障害等級表の1級または2級に該当していること
【支給額】参考:障害年金の金額
1級 1,020,000円
2級 816,000円
その他、子の加算あり
障害厚生年金【対象】
・初診日が厚生年金保険加入期間の方
【要件】参考:クリアすべき要件
・保険料の納付要件を満たしていること
・障害の状態が、障害等級表の1級から3級のいずれかに該当していること
【支給額】参考:障害年金の金額
1級 報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級
2級 報酬比例の年金額+障害基礎年金2級
3級 報酬比例の年金額(最低保障612,000円)
その他、1,2級は配偶者の加算あり
障害手当金【対象】
・初診日が厚生年金保険加入期間の方
・国民年金、厚生年金または共済年金を受給している方を除く
【要件】参考:クリアすべき要件
・保険料の納付要件を満たしていること
・初診日から5年以内に治って(症状が固定して)いること
・治った日に障害厚生年金を受け取ることができる状態よりも軽いこと
・障害等級表に定める障害の状態であること
【支給額】参考:障害年金の金額
報酬比例の年金額×2(最低保障1,224,000円)

   

関節リウマチの障害年金認定基準

肢体の障害による障害の程度は、「上肢の障害」、「下肢の障害」、「体幹・脊柱の機能の障害」及び「肢体の機能の障害」に区分されます。

関節リウマチの場合、その症状は上下肢の広範囲にわたる場合が多く、その際は、上肢、下肢それぞれの認定基準と認定要領によらず、「肢体の機能の障害」として認定することとされています。

肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定します。

なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定します。

   

肢体の機能の障害

・等級の目安(例示)

障害の程度障害の状態
1級1.一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの
2.四肢の機能に相当程度の障害を残すもの
2級1.一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの
2.四肢に機能障害を残すもの
3級一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの

◇用を全く廃したもの
とは、日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態をいう。

◇機能に相当程度の障害を残すもの
日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいう。

◇機能障害を残すもの
日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいう。

『日常生活における動作』という表現が何度も出てきますが、おおむね次のような動作が挙げられます。

▪️手指の機能
・つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
・握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
・タオルを絞る(水をきれる程度)
・ひもを結ぶ

▪️上肢の機能
・さじで食事をする
・顔を洗う(顔に手のひらをつける)
・用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
・用便の処置をする(尻のところに手をやる)
・上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
・上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

▪️下肢の機能
・片足で立つ
・歩く(屋内)
・歩く(屋外)
・立ち上がる
・階段を上る
・階段を下りる

なお、手指の機能と上肢の機能とは、切り離して評価することなく、手指の機能は、上肢の機能の一部として取り扱うこととされています。   

肢体の機能の障害が両上肢、一上肢、両下肢、一下肢、体幹及び脊柱の範囲内に限られている場合には、それぞれの認定基準と認定要領によって認定します。

また、上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定します。

参考記事:障害年金は何を基準に決めるの?(肢体の障害)

   

関節リウマチで障害年金を受給するためのポイント

先に述べた通り、肢体の機能の障害は、日常生活における動作の状態が重要視されます。

診断書裏面「日常生活における動作の障害の程度」の項目にある、つまむ・握る・・などの項目について、ご自身の症状に合った内容になっているかきちんとご確認ください。

   

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