メニエール病で障害年金をもらう方法
平衡機能の障害 / 聴覚の障害
【もくじ】
メニエール病は、激しいめまい、難聴、耳鳴り、吐き気、耳の閉塞感と圧迫感の症状が繰り返し出現する疾患です。
症状が進行している場合は日常生活に支障が出る状態が続きます。
メニエール病は障害年金の対象です
メニエール病の原因
メニエール病は内耳を満たしている内リンパ液が過剰にたまる状態である、「内耳リンパ水腫」が原因で発症します。
メニエール病を発症する要因としては、疲れ・ストレス・睡眠不足等が要因としてあるとされており、発症要因の影響を受けやすい30〜50歳代がメニエール病を発症する年代として多くなっています。
メニエール病発症後、1~2年程度の治療で軽快する場合、数年以上症状が続く場合があります。
メニエール病の症状
メニエール病の症状として、以下の症状があります。
1.回転性めまい
自分自身や周囲がぐるぐる回っているように感じるめまいが一定時間続きます。
2.難聴
低音域の難聴が生じます。
発作が頻回になると、低音域に限らず、高音域でも難聴の症状が悪化する場合かあります。
症状が進行すると、片方の耳の難聴だけでなく、両方の耳に難聴の症状が出現する場合があります。
3.耳鳴り
発作が頻回になると、耳鳴りが慢性化する場合があります。
4.耳の閉塞感と圧迫感
5.吐き気
1〜5の症状が出現する時間は数分の人もいれば、長時間続くこともあります。
また、症状が出現する回数に関しても、1週間に数回の人、年に数回のように個人差があります。
メニエール病の診断にあたっては、1〜5の症状が、繰り返し行っていること、長い時間起こっていることが重視されます。
メニエール病の予後
めまいが起きている間は、横になって安静を保つことが大切です。
自覚症状が出現した早期に医療機関を受診、薬物治療を行うことで症状を緩和することができますが、難治性の場合は手術の検討が必要になります。
メニエール病は障害年金の対象です
メニエール病の状態が悪く、難治性になっている場合は、障害年金を受給できる可能性があります。
主な症状は、聴力と平衡機能の低下によるものです。
ドクターズ・ファイル
https://doctorsfile.jp/medication/314/
沢井製薬 サワイ健康推進課
https://kenko.sawai.co.jp/prevention/201812.html
MSDマニュアル 家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/19-耳、鼻、のどの病気/内耳の病気/メニエール病
障害年金とは?
障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、 受け取ることができる年金です。
障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。
病気やけがで初めて医師または歯科医師の診療を受けたときに 国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取ることができる制度があります。
障害基礎年金 | 【対象】 ・初診日が国民年金加入期間の方 ・初診日が、20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間の方 ・老齢基礎年金を繰り上げて受給している方は除く 【要件】参考:クリアすべき要件 ・保険料の納付要件を満たしていること ・20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、 納付要件不要 ・障害の状態が、障害等級表の1級または2級に該当していること 【支給額】参考:障害年金の金額 1級 1,020,000円 2級 816,000円 その他、子の加算あり |
障害厚生年金 | 【対象】 ・初診日が厚生年金保険加入期間の方 【要件】参考:クリアすべき要件 ・保険料の納付要件を満たしていること ・障害の状態が、障害等級表の1級から3級のいずれかに該当していること 【支給額】参考:障害年金の金額 1級 報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級 2級 報酬比例の年金額+障害基礎年金2級 3級 報酬比例の年金額(最低保障612,000円) その他、1,2級は配偶者の加算あり |
障害手当金 | 【対象】 ・初診日が厚生年金保険加入期間の方 ・国民年金、厚生年金または共済年金を受給している方を除く 【要件】参考:クリアすべき要件 ・保険料の納付要件を満たしていること ・初診日から5年以内に治って(症状が固定して)いること ・治った日に障害厚生年金を受け取ることができる状態よりも軽いこと ・障害等級表に定める障害の状態であること 【支給額】参考:障害年金の金額 報酬比例の年金額×2(最低保障1,224,000円) |
メニエール病の障害年金認定基準
聴覚の障害聴覚・平衡機能 の障害について、それぞれの基準と併合判定の方法をご確認ください。
聴覚の障害
令別表 | 障害の程度 | 障害の状態 | |
国年令別表 | 1級 | 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの | |
2級 | 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの | ||
身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの | |||
厚年令 | 別表第1 | 3級 | 両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの |
別表第2 | 障害手当金 | 一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの |
聴覚の障害による障害の程度は、純音による聴力レベル値(純音聴力レベル値)及び語音による聴力検査値(語音明瞭度)により認定します。
「身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が 著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とは?
両耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のものをいいます。
「両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの」とは?
ア 両耳の平均純音聴力レベル値が70デシベル以上のもの
イ 両耳の平均純音聴力レベル値が50デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が50%以下のもの
をいいます。
「一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの」とは?
一耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上のものをいいます。
平衡機能の障害
令別表 | 障害の程度 | 障害の状態 | |
国年令別表 | 2級 | 平衡機能に著しい障害を有するもの | |
厚年令 | 別表第1 | 3級 | 神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
別表第2 | 障害手当金 | 神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
聴覚の障害のうち、特に内耳の傷病による障害と平衡機能障害とは、併存することがあります。
「平衡機能に著しい障害を有するもの」とは?
四肢体幹に器質的異常がない場合に、 閉眼で起立・立位保持が不能又は開眼で直線を歩行中に10 メートル以内に転倒ある いは著しくよろめいて歩行を中断せざるを得ない程度のものをいいます。
中等度の平衡機能の障害のために、労働能力が明らかに半減しているものは、3級と認定します。
中等度の平衡機能の障害とは、閉眼で起立・立位保持が不安定で、開眼で直線を10 メートル歩いたとき、多少転倒しそうになったりよろめいたりするがどうにか歩き通 す程度のものをいいます。
めまいの自覚症状が強く、他覚所見として眼振その他平衡機能検査の結果に明らか な異常所見が認められ、かつ、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを 必要とする程度のものは、併合判定参考表の8号と認定します。
併合認定
各障害について併合判定参考表における該当番号を求めた後、併合認定表による併合番号を求め、障害の程度を認定します。
参考記事:障害がいくつかある場合:併合(加重)認定
メニエール病で障害年金を受給するためのポイント
メニエール病の主症状は、めまいなど平衡機能に現れる方が多いです。
聴力にも症状がある場合は、それらの症状についても診断書に記載する必要があります。
まとめ
先の障害認定基準で述べた通り、平衡機能の症状のみで2級相当に該当する方は、かなり重い症状を抱えています。
初診日が国民年金の方など障害基礎年金を請求される方は、3級以下の障害年金がないので注意が必要です。
両耳の聴力と併せて2級に該当する可能性もありますので、ご自身の症状がどの程度に該当するのか、医療機関で充分に確認したうえで請求をご検討ください。