後縦靱帯骨化症で障害基礎年金2級を受給した事例
肢体の障害
【もくじ】
傷病名・決定内容
◇ 後縦靱帯骨化症
後縦靱帯骨化症とは、背骨の中を縦に走る後縦靭帯が骨になった(骨化)結果、脊髄の入っている脊柱管が狭くなり、神経根が押されて、感覚障害や運動障害等の神経症状を引き起こす病気です。
難病に指定されています。
◇ 障害基礎年金2級
ご依頼の経緯
担当の相談支援専門員さんからご相談いただいた案件です。
10年ほど前に下肢の動きに違和感を覚えたことが発端。
当初は、原因が分からないままあちこちの整形外科を転々としていました。
しかし、年々四肢の動きが鈍くなり、最終的に、大学病院で後縦靱帯骨化症との診断を受けました。
その後、手術を繰り返すも症状は改善せず、日常生活全般に介助を要するようになったため障害年金の請求に至りました。
請求のポイント
初診日
発病から10年程度経過してからの請求です。
病院を転々としていたこともあり、初診日を特定し証明書類を揃えるのに苦労しました。
初診日の証明は、必ずしも一番初めの病院で取得しなければいけないということではありません。
2番目以降の病院でも、その診療録の内容から初診日を証明することが出来る場合があります。
とにかく諦めず、根気よく調べてくださいね。
関連記事:障害年金の初診日が証明できない場合はどうしたら良いの?
請求年齢
本件のように、初診日から1年半以上経過し、傷病が悪化したケースは、『事後重症請求』とう方法で障害年金を請求します。
この事後重症請求にはタイムリミットがあり、65歳までに請求しなければいけません。
本件のクライアントさんは、あと2ヶ月程度で65歳を迎えるというタイミングで待ったなし状態でした。
初診日の証明や診断書の作成には、1ヶ月以上要する場合もあります。
60歳過ぎてから障害年金の請求を検討される方は、このタイムリミットも意識してくださいね。
65歳からの年金のもらい方
老齢年金と障害年金、のように、支給事由の異なる2つ以上の年金は、いずれか1つの年金を選択することになります。
そう聞くと、65歳になったら、障害年金はもらえなくなるようなイメージを抱く方もいるかもしれませんね。
ただし、65歳以降は、下図のように「障害基礎年金+老齢厚生年金」という組み合わせの選択も可能となります。
なので、65歳までに障害基礎年金の受給権を得ることはとても大切なのです。
まとめ
原因がはっきりしない疾病、確定診断まで相当な期間を要する疾病は、発病時期や初診日を辿るのがとても大変です。
そうこうしているうちに、65歳を過ぎてしまったというケースも少なくありません。
進行性の疾病の場合、当初は障害年金2級の判断でも、悪化した場合は1級に額改定(65歳以降でも可)することにより、年金額も大きく変わります。
症状が軽いうちから情報収集することが大切ですね。