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肝がんで障害年金をもらう方法

肝がんとは、肝臓にできた悪性腫瘍のことをいいます。

症状としては肝がんというよりも、むしろ合併する肝硬変の症状が顕著にあらわれます。

男性のがん部位別死亡数でも第3位にランクインしており、予後が悪く治療も難しい病気です。

   

  

肝がんは障害年金の対象です

◇肝がんの原因

肝がんは、転移性肝がんと原発性肝がんの2つに分けられます。

肝がんのほとんどは転移性肝がんです。

原発性肝がんではB型・C型肝炎ウイルス感染による肝硬変が主な原因となります。

また、アルコールの飲み過ぎやヘビースモーカーによる肝がんも注目されており、最近増加傾向にあります。

いずれにしても、肝臓の慢性炎症によって細胞の破壊と再生が繰り返され、その過程で遺伝子が突然変異してがんが引き起こされます。

   

◇肝がんの症状

小さな肝がんはほぼ自覚症状がありません。
大きな肝がんでも、肝がんの症状というよりも、むしろ合併する肝硬変にともなう症状が顕著に出現してきます。

肝硬変で生じる症状は、初期のステージでは食欲の低下や全身の倦怠感、体重の減少などです。
しかし、無症状の方もおられます。

肝硬変が進行していくと「非代償性肝硬変」と呼ばれる段階に入ります。
非代償生性肝硬変では、からだの皮膚の色が黄色くなる「黄疸」と呼ばれる症状からはじまり、息切れ、下痢、歯茎の出血や鼻血、手のひらが赤くなる「手掌紅斑」、首や胸元に赤い発疹ができる「クモ状血管腫」などの症状が出現します。

いずれの症状も肝機能の低下から起こるものです。

また、重度になってくると肝臓でアンモニアが分解できなくなり、からだの中にアンモニアが蓄積してきます。
そのアンモニアが脳にわたると肝性脳症という病気になり、記憶力の低下や意欲の低下、昏睡状態に陥ることもあります。

なお、門脈圧も亢進してきます。
門脈とは肝臓につながる大きな血管のことです。

肝硬変になると肝臓に血液が届きにくくなり、門脈圧が亢進します。
その結果、余分な水分がお腹の中にたまり、腹水による腹部膨満が生じます。

   

北村諭:コメディカルのための専門基礎分野テキスト内科学、(株)中外医薬社、2016

ドクターズファイル

https://doctorsfile.jp/medication/48/

よくわかる肝臓の病気「疾肝啓発」

https://www.aska-pharma.co.jp/kansikkan/disease/11.html

     

障害年金とは?

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、 受け取ることができる年金です。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。
病気やけがで初めて医師または歯科医師の診療を受けたときに 国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取ることができる制度があります。

障害基礎年金【対象】
・初診日が国民年金加入期間の方
・初診日が、20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間の方
・老齢基礎年金を繰り上げて受給している方は除く
【要件】参考:クリアすべき要件
・保険料の納付要件を満たしていること
・20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、 納付要件不要
・障害の状態が、障害等級表の1級または2級に該当していること
【支給額】参考:障害年金の金額
1級 976,125円
2級 780,900円
その他、子の加算あり
障害厚生年金【対象】
・初診日が厚生年金保険加入期間の方
【要件】参考:クリアすべき要件
・保険料の納付要件を満たしていること
・障害の状態が、障害等級表の1級から3級のいずれかに該当していること
【支給額】参考:障害年金の金額
1級 報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級
2級 報酬比例の年金額+障害基礎年金2級
3級 報酬比例の年金額(最低保障585,700円)
その他、1,2級は配偶者の加算あり
障害手当金【対象】
・初診日が厚生年金保険加入期間の方
・国民年金、厚生年金または共済年金を受給している方を除く
【要件】参考:クリアすべき要件
・保険料の納付要件を満たしていること
・初診日から5年以内に治って(症状が固定して)いること
・治った日に障害厚生年金を受け取ることができる状態よりも軽いこと
・障害等級表に定める障害の状態であること
【支給額】参考:障害年金の金額
報酬比例の年金額×2(最低保障1,171,400円)

   

肝がんの障害年金認定基準

障害年金認定基準によると、肝疾患による障害の認定の対象は、慢性かつびまん性の肝疾患の結果生じた肝硬変症及びそれに付随する病態(食道・胃などの静脈瘤、特発性細菌性腹膜炎、肝がんを含む。)とされています。

肝がんについては、肝機能の検査項目及び臨床所見の異常に加えて、肝がんによる障害を考慮し、悪性新生物による障害の認定要領により認定されます。

ただし、検査項目及び臨床所見の異常が認められない場合もあるので、その際は、悪性新生物による障害の認定要領により認定されます。

参考記事:障害年金は何を基準に決めるの?(悪性新生物)

   

肝疾患の障害

障害の程度障害の状態
1級〈重症度判定〉の検査成績及び臨床所見のうち高度異常を3つ以上示すもの又は高度異常を2つ及び中等度の異常を2つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
2級〈重症度判定〉の検査成績及び臨床所見のうち中等度又は高度の異常を3つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの
3級〈重症度判定〉の検査成績及び臨床所見のうち中等度又は高度の異常を2つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
日本年金機構HP:https://www.nenkin.go.jp/index.html

   

◇重症度判定

検査項目/臨床所見基準値中等度の異常高度異常
血清総ビリルビン (mg/dl)0.3~1.22.0以上3.0以下3.0超
血清アルブミン (g/dl) (BCG法)4.2~5.13.0以上3.5以下3.0未満
血小板数 (万/μl)13~355以上10未満5未満
プロトロンビン 時間(PT)(%)70超~13040以上70以下40未満
腹水腹水あり難治性腹水あり
脳症(昏睡度分類)Ⅰ度Ⅱ度以上
日本年金機構HP:https://www.nenkin.go.jp/index.html

   

◇昏睡度分類

昏睡度精神症状参考事項
睡眠―覚醒リズムに逆転。 多幸気分ときに抑うつ状態。 だらしなく、気にとめない態度。あとで振り返ってみて判定できる。
指南力(時、場所)障害、 物をとり違える(confusion) 異常行動 (例:お金をまく、 化粧品をゴミ箱に捨てるなど) ときに傾眠状態(普通のよびかけで開眼し会話が出来る) 無礼な言動があったりするが、他人の指示には従う態度を見せる。興奮状態がない。 尿便失禁がない。 羽ばたき振戦あり。
しばしば興奮状態またはせん妄状態を伴い、反抗的態度をみせる。 嗜眠状態(ほとんど眠っている)。 外的刺激で開眼しうるが、他人の指示には従わない、または従えない(簡単な命令には応じえる)。羽ばたき振戦あり。 (患者の協力がえられる場合) 指南力は高度に障害。
昏眠(完全な意識の消失)。 痛み刺激に反応する。刺激に対して、払いのける動作、顔をしかめるなどがみられる。
深昏睡 痛み刺激にもまったく反応しない。
日本年金機構HP:https://www.nenkin.go.jp/index.html

   

◇一般状態区分表

区分一般状態
無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など
歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
日本年金機構HP:https://www.nenkin.go.jp/index.html

   

肝がんで障害年金を受給するためのポイント

先に述べた通り、肝がんについては、検査項目や臨床所見の異常に加えて、悪性新生物による障害の認定要領により認定するとされています。

そこで、肝疾患の診断書と悪性新生物の診断書はその様式が異なります。

日本年金機構HP:https://www.nenkin.go.jp/index.html

   

どちらの診断書を提出するか(もしくは両方提出)については、ご本人様の症状や重症度をより詳しく具体的に記載できる方を選択すると良いでしょう。

その辺りは、主治医とご相談のうえ決めてくださいね。

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