うつ病で障害年金をもらう方法
精神の障害
【もくじ】
精神疾患のため医療機関で治療を行なっている人の数は、近年大幅に増加しています。
平成26年は392万人、平成29年では400万人を超えています。
精神疾患のなかで最も多い症例がうつ病です。
うつ病の罹患者が増えたというより、うつ病で受診する人の数が増えたといった方が正しいのかもしれません。
それに伴い、うつ病で障害年金の請求をする方も増えています。
うつ病で障害年金の請求を検討している方、手続きの前に正しい知識と正しい方法を確認してください。
うつ病で障害年金をもらうには
初診日はいつ?
初診日は、一番初めにお医者様の診察を受けた日です。
とはいえ、どの病院が一番初めだったのか分からない場合もありますよね。
初診の頃は違う病名で受診していたという場合
眠れないのでA内科で睡眠薬をもらって服用しているうちに、倦怠感や抑うつ症状が悪化し、Bメンタクリニックに転院したというケースも多いです。
この場合は、うつ病と因果関係のある不眠症状で受診したA内科が初診日ということになります。
いったんは治ったけど再発した場合
これについては、この『治った』がどの程度の治ったなのかによります。
自己判断で治療を中断した場合は、治ったというお墨付きがないので、医学的治癒(いがくてきちゆ)とはいえません。
ただし、社会的治癒(しゃかいてきちゆ)といって、自覚的・他覚的に病変や異常が認められず社会復帰して普通の生活や就労をしている場合は、再発時を初診日として取り扱う場合もあります。
ただ現状は、精神疾患の場合、社会的治癒を積極的に認めるという流れではないように感じます・・・
知的障害や発達障害の方がうつ病を併発した場合
この場合は、因果関係のある傷病として、知的障害の場合は出生日、発達障害の場合は発達障害の初診日をうつ病の初診日として扱います。
初診日は分かったけど証明が取れない場合
初診の病院が判明したら、次は同病院で初診日を証明する書類を取得することとなります。
でも、初診が何十年も昔で、転院を繰り返していてカルテも残されていないことはよくありますよね。
多くの方は、この時点で障害年金の請求を諦めてしまいます。
しかし、初診日の証明には意外と多くの選択肢が用意されています。
詳細は関連記事をご覧ください。
関連記事:障害年金の初診日が証明できない場合はどうしたら良いの?
保険料は納めた?
初診日が確認できたら、次は保険料の納付状況の確認です。
初診日の前の日までに払うべき保険料をきちんと払う必要があります。
以下の2つの要件をご覧ください。
いずれか一方をクリアしていればOKです。
※ 「20歳前が初診日」「60歳過ぎてからが初診日」の場合は、要件が異なります。
障害の状態は?
障害年金を請求するには、既定の障害の状態にあることが必要です。
1級、2級、3級、障害手当金のうち、どこに該当するのかを確認してください。
また、自分では2級程度だと思っていても、主治医が3級程度だと診断している場合は、思うように診断書は書いてもらえません。
うつ病などの精神疾患は、内科疾患と違いその重症度を検査等の数値で表すことが困難なので、自分の症状や日常生活状況をきちんと医師に説明して理解してもらうことがとても重要なのです。
精神疾患の障害状態について、障害認定基準をまとめたものがこちらの関連記事にあります。
ガイドラインの活用法なども分かりやすく説明しています。
是非、参考にしてください。
認定基準:障害年金は何を基準に決めるの?(精神)
いつからもらえる?
障害年金請求の際は、障害年金の請求時期を決めなければいけません。
請求時期によって請求方法は2つに分かれます。
認定日請求と事後重症請求です。
過去の分までさかのぼって障害年金を請求できる人は、認定日請求ができる人です。
◇認定日請求
障害認定日(初診日から1年6ヶ月を過ぎた日※例外あり)の時点で障害の状態にある場合の請求方法です。
◇事後重症請求
事後重症請求は「将来に向かってする請求」です。
障害認定日の時点では障害の状態に該当しなかった方でも、その後病状が悪化するケースはありますよね。
その場合は、請求をした時点から障害年金をもらうことになります。
詳細については、関連記事をご覧ください。
関連記事:障害年金をもらうためにクリアしなければならない要件
年金はいくらもらえる?
障害年金の金額は、初診日に加入していた年金制度によって、その仕組みが異なります。
国民年金or厚生年金
初診日が厚生年金の場合は4等級(1級 2級 3級 手当金)、国民年金の場合は2等級(1級 2級)に分かれています。
子供や配偶者の加算
家族構成に応じて加算されます。
国民年金には配偶者の加算はありません。
また、3級と障害手当金には加算自体がありません。
金額のまとめ
2級の例を参考に、国民年金(障害基礎年金)と厚生年金(障害厚生年金)のおよその試算はこのような感じです。
関連記事:障害年金の金額はどうやって計算するの?
まとめ
うつ病で障害年金を受給するには、様々な要件をクリアしなければいけません。
また、一度提出した書類は「やっぱり変更します」というわけにもいきません。
とにかく準備は慎重に、ご自分の納得のいく書類を整えることが大切です。