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アルコール性精神病で障害年金をもらう方法

アルコール性精神病は、アルコール依存症の方にみられる病気です。

アルコール性精神病は、別の呼び方でアルコール性認知症やウェルニッケ・コルサコフ症候群ともいわれています。

アルコール性精神病では手足のふるえ・幻覚・妄想・人格の変化・記憶障害・失見当識・作話などの症状がみられます。

   

アルコール性精神病は障害年金の対象です

   

アルコール性精神病の原因

アルコール性精神病の原因は、アルコール依存症です。

お酒を飲むとアルコールを分解するためにビタミンB1が使われるのですが、一度にアルコールを大量摂取すると脳の中のビタミンB1が不足してしまってウェルニッケ脳症という状態に陥ります。

また、脳はアルコール摂取量に応じて萎縮することがわかっており、この脳の萎縮もアルコール性精神病の原因です。

   

アルコール性精神病の症状

アルコール性精神病では、手足のふるえ・幻覚・妄想・人格の変化・記憶障害・失見当識・作話などの症状がみられます。

幻覚では、強い不安や恐怖を引き起こす幻覚がみえます。幻覚のせいで大声をあげたり暴れ出したりする行動もみられます。

また、アルコール性精神病では妄想も特徴的です。

とくに嫉妬妄想が強く、恋人が自分を裏切ろうとしているのではないか、婚約相手が不倫をしているのではないかなど嫉妬深くなります。

この嫉妬妄想をきっかけにDV事件へ発展する場合もあります。

アルコール性精神病では前頭葉が障害されやすいです。

前頭葉は理性をたもったり、注意力などをつかさどったりする部位なので、前頭葉が障害されると人格が変化してしまいます。

なお、失見当識とは日付や時間がわからなくなる症状のことで、作話とは無意識のうちにウソの作り話をしてしまう症状です。

   

アルコール性精神病の予後

アルコール性精神病はお酒をやめることで治る可能性があるといわれています。

アルコール依存症で自分ではコントロールできないという方は、精神病院などの専門機関に入院して療養する手段があります。

カウンセラーなどを通じて心のケアも必要です。

また、断酒薬を服用したり、うつ病を患っている方は抗うつ薬を服用したりと薬物療法が有効になってくる場合があります。

   

病院検索ホスピタ

https://www.hospita.jp/disease/3431/

時事メディカル

https://medical.jiji.com/medical/010-0024-01

     

障害年金とは?

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、 受け取ることができる年金です。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。
病気やけがで初めて医師または歯科医師の診療を受けたときに 国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取ることができる制度があります。

障害基礎年金【対象】
・初診日が国民年金加入期間の方
・初診日が、20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間の方
・老齢基礎年金を繰り上げて受給している方は除く
【要件】参考:クリアすべき要件
・保険料の納付要件を満たしていること
・20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、 納付要件不要
・障害の状態が、障害等級表の1級または2級に該当していること
【支給額】参考:障害年金の金額
1級 1,020,000円
2級 816,000円
その他、子の加算あり
障害厚生年金【対象】
・初診日が厚生年金保険加入期間の方
【要件】参考:クリアすべき要件
・保険料の納付要件を満たしていること
・障害の状態が、障害等級表の1級から3級のいずれかに該当していること
【支給額】参考:障害年金の金額
1級 報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級
2級 報酬比例の年金額+障害基礎年金2級
3級 報酬比例の年金額(最低保障612,000円)
その他、1,2級は配偶者の加算あり
障害手当金【対象】
・初診日が厚生年金保険加入期間の方
・国民年金、厚生年金または共済年金を受給している方を除く
【要件】参考:クリアすべき要件
・保険料の納付要件を満たしていること
・初診日から5年以内に治って(症状が固定して)いること
・治った日に障害厚生年金を受け取ることができる状態よりも軽いこと
・障害等級表に定める障害の状態であること
【支給額】参考:障害年金の金額
報酬比例の年金額×2(最低保障1,224,000円)

   

アルコール性精神病の障害年金認定基準

アルコール、薬物等の精神作用物質の使用による精神及び行動の障害は、「精神作用物質使用による精神障害」として規定されています。

ただし、『精神病性障害を示さない急性中毒及び明らかな身体依存の見られないものは、認定の対象とならない』と明記されており、アルコールに起因する精神疾患を主傷病として障害年金を申請する場合は注意が必要です。

   

障害の程度障害の状態
1級高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、常時の援助が必要なもの
2級認知障害、人格変化、その他の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級1 認知障害、人格変化は著しくないが、その他の精神神経症状があり、労働が制限を受けるもの
2 認知障害のため、労働が著しい制限を受けるもの
障害手当金認知障害のため、労働が制限を受けるもの

   

アルコール性精神病で障害年金を受給するためのポイント

アルコールに起因する精神疾患については、その飲酒に至った原因も重要です。

『故意に』障害状態に至ったか否かについてが問われるのです。

例えば、飲酒が好きで飲み過ぎたことが原因で依存症に至った場合と、職場環境や家庭環境の影響でうつ症状を呈し、不眠症状を緩和させるために大量飲酒に至った場合とでは、『故意に障害を生じさせた』か否かの判断が異なります。

また、「アルコール依存症」の傷病名のみで障害年金申請が通る可能性は非常に低いです。

アルコール性認知障害やアルコール性コルサコフ症候群など、明らかな身体依存の認められる傷病名や症状でなければ認定されにくい現状です。

アルコール=障害年金はもらえない というイメージを持たれている方は多いようですが、原因や症状も含め主治医の先生と相談のうえで進められると良いと思います。

   

   

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