癒着性角膜白斑で障害年金をもらう方法
眼の障害
【もくじ】
癒着性角膜白斑とは、目の角膜が茶色の部分である虹彩(こうさい)と癒着し、白い斑点のような濁り、白濁した状態がかなり濃い状態になり、視力障害が起こる病気です。
「目ぼし」という言い方もありますが、癒着性角膜白斑は目ぼしのなかでも重症の症状になる角膜白斑に関連したものになります。
癒着性角膜白斑は障害年金の対象です
癒着性角膜白斑の原因
癒着性角膜白斑病の原因としては、以下のような理由が挙げられています。
・先天性による場合(出生児から角膜が混濁している状態です)
・遺伝による場合(小児期から青年期にかけて発病します)
・目の疾患による炎症で角膜に白く混濁が残った場合(梅毒、ヘルペス、結核による炎症等)
・過去の目の疾患により角膜に白く混濁が残った場合(高齢者が発症することが多いです)
・ビタミンA欠乏による、栄養障害の場合
・外傷で角膜を傷つけた場合
・自分の目に合わないコンタクトレンズの使用を続けた場合
・コンタクトレンズを適切に使用しなかった場合
癒着性角膜白斑の症状
本来の角膜は無色透明な状態ですが、「癒着性角膜白斑病の原因」で紹介した原因により、虹彩や虹彩中央にある黒い部分である瞳孔が確認できないほど濃く白濁した状態になります。
癒着性角膜白斑病は角膜白斑の症状のなかでは重症な症状になります。
そのため、眼内に光が入りにくくなる、ぼんやりとしたゆがんだ像しか見えないため、強い視力障害が起こり、日常生活で支障が出るほどの著しい視力低下が起こります。
特に、角膜の中央部に白斑が形成されると、視力が出せなくなるために視力低下が顕著になります。
癒着性角膜白斑の予後
癒着性角膜白斑病の治療では、角膜白斑の箇所をレーザーにより切除する治療方法もありますが、重症の場合は角膜移植による治療を行うことで、ある程度の視力の回復を行うことができます。
公益社団法人 日本眼科医会
https://www.gankaikai.or.jp/health/18/04.html
角膜混濁 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1o09.pdf
京橋クリニック
https://www.kyoubashiganka.com/blog/スタッフブログ/1018.html
障害年金とは?
障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、 受け取ることができる年金です。
障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。
病気やけがで初めて医師または歯科医師の診療を受けたときに 国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取ることができる制度があります。
障害基礎年金 | 【対象】 ・初診日が国民年金加入期間の方 ・初診日が、20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間の方 ・老齢基礎年金を繰り上げて受給している方は除く 【要件】参考:クリアすべき要件 ・保険料の納付要件を満たしていること ・20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、 納付要件不要 ・障害の状態が、障害等級表の1級または2級に該当していること 【支給額】参考:障害年金の金額 1級 1,020,000円 2級 816,000円 その他、子の加算あり |
障害厚生年金 | 【対象】 ・初診日が厚生年金保険加入期間の方 【要件】参考:クリアすべき要件 ・保険料の納付要件を満たしていること ・障害の状態が、障害等級表の1級から3級のいずれかに該当していること 【支給額】参考:障害年金の金額 1級 報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級 2級 報酬比例の年金額+障害基礎年金2級 3級 報酬比例の年金額(最低保障612,000円) その他、1,2級は配偶者の加算あり |
障害手当金 | 【対象】 ・初診日が厚生年金保険加入期間の方 ・国民年金、厚生年金または共済年金を受給している方を除く 【要件】参考:クリアすべき要件 ・保険料の納付要件を満たしていること ・初診日から5年以内に治って(症状が固定して)いること ・治った日に障害厚生年金を受け取ることができる状態よりも軽いこと ・障害等級表に定める障害の状態であること 【支給額】参考:障害年金の金額 報酬比例の年金額×2(最低保障1,224,000円) |
癒着性角膜白斑の障害年金認定基準
癒着性角膜白斑の主な症状は、視力の低下です。
視力の障害については、認定基準内にその数値が表記されています。
障害の程度 | 障害の状態 |
1級 | 【視力】・両眼の視力がそれぞれ0.03以下のもの ・一眼の視力が0.04、他眼の視力が手動弁以下のもの 【視野】・ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼のI/4 視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下かつ I/2視標による両眼中心視野角度が28度以下のもの ・自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が20点以下のもの |
2級 | 【視力】・両眼の視力がそれぞれ0.07以下のもの ・一眼の視力が0.08、他眼の視力が手動弁以下のもの 【視野】・ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼のI/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80 度以下かつI/2視標による両眼中心視野角度が56度以下のもの ・自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が40点以下のもの ・身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 | 【視力】両眼の視力がそれぞれ0.1以下に減じたもの 【視野】・ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼のI/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下に減じたもの ・自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下に減じたもの |
障害手当金 | 【視力】・両眼の視力がそれぞれ0.6以下に減じたもの ・一眼の視力が0.1以下に減じたもの 【視野】・両眼による視野が2分の1以上欠損したもの ・ゴールドマン型視野計による測定の結果、I/2視標による両眼中心視野角度が56度以下に減じたもの ・自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が100点以下に減じたもの ・自動視野計による測定の結果、両眼中心視野視認点数が40点以下に減じたもの 【その他】・両眼の調節機能及び輻輳機能に著しい障害を残すもの ・身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの ・両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの |
視力障害について
「両眼の視力がそれぞれ◯△以下のもの」とは、視力の良い方の眼の視力が◯△以下のものをいいます。
「一眼の視力が◯△、他眼の視力が手動弁以下のもの」とは、視力の良い方の眼の視力が◯△かつ他方の眼の視力が手動弁以下のものをいいます。
癒着性角膜白斑で障害年金を受給するためのポイント
癒着性角膜白斑の原因は様々で、高齢になってから発病するケース、若い頃から症状はあったが高齢になって悪化したケース、など色々なパターンが想定されます。
そのパターンによって、年齢や症状が全く同じでも「請求できる人」と「請求できない人」に大きく分かれます。
障害年金を請求するにはクリアすべき要件があります。
【参考】障害年金をもらうためにクリアしなければならない要件
要件に照らし合わせ、明らかに「請求できる人」に該当する場合は良いのですが、「どちらか分からない人」もしくは「請求できない人」だと思い込んでしまう方がとても多いです。
また、病歴が長い方に多いのは、障害年金を請求するという発想自体がないケースです。
ご自身もしくは周囲にそのような方がいらっしゃいましたら、障害年金制度について少し知っていただくと良いかなと思います。
まとめ
癒着性角膜白斑で障害年金をもらう方法についてお伝えしました。
眼を患うと、初診の医療機関に行ったり年金事務所に通ったりと、外出を伴う手続きは出来るだけ減らしたいですよね。
一回で受け付けてもらえるように、診断書の日付や記入漏れが無いかなど、事前にしっかり確認してくださいね。