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アルコール型認知症で障害厚生年金2級を受給した事例 確定拠出年金の手続きもお忘れなく

傷病名・決定内容

◇ アルコール型認知症

◇ 障害厚生年金2級

 

ご依頼の経緯

ケースワーカーさんからご相談いただいた案件です。

長年、ドライバーとしてお勤めされていた方です。

職場のストレスがきっかけで飲酒量が増え発病。

業務に耐えられなくなり、長期休職を経て退職しました。

当初は、障害年金請求手続きをご依頼いただいたのですが、フタを開けると、失業手当に確定拠出年金に・・やるべき事が山積みでした。

 

請求のポイント

 

アルコールに起因する疾病の障害年金請求

国民年金・厚生年金保険 障害認定基準によると、アルコールや薬物等の精神作用物質の使用により生じる精神障害については、急性中毒や身体依存がみられないものは認定対象から外れています。

本件の場合、その傷病名は「アルコール型認知症」であり、アルコール依存が原因で脳の機能に異常をきたし認知症の症状を呈しているものです。

よく、「アルコールが原因の傷病でも障害年金はもらえますか?」という質問を受けます。

飲酒行為は合法なので、アルコールが原因だから障害年金を請求できないということはありません。

ただし、飲酒運転、未成年の飲酒など、違法行為に起因する傷病については、その故意過失云々について問われます。

【参考記事】障害年金は何を基準に決めるの?(精神)

 

退職後の傷病手当金

健康保険には、病気やケガで医療給付を受けるだけではなく、治療のため会社を休み給料が出ない場合に手当金を支給する制度があります。
それが傷病手当金です。

給料の約3分の2相当の金額を、最長で1年6ヶ月の間受給することができます。

退職後は、以下の2つの要件を満たした場合に、継続して傷病手当金をもらうことができます。

【支給要件1】
退職日までに被保険者期間が継続して1年以上あること (任意継続、共済組合、国民健康保険の加入期間は除きます)

【支給要件2】
退職日当日において、傷病手当金の支給を受けている、または、受けられる状態であり、引き続き継続して、同一の病気やケガで労務不能であること

【参考記事】障害年金と傷病手当金は両方もらえるの?

 

退職後の健康保険

会社を辞めると、当然それまで使っていた健康保険証は、会社に返却しなければいけません。

無保険というわけにはいかないので、すぐに何らかの健康保険制度に加入する必要があります。

一般的な選択肢は、下記の3つの方法です。
保険料や給付内容を比較し、一番有利な方法を選択してください。

① 被用者保険の任意継続
 在職中に加入していた健康保険に設けられている制度で、資格を喪失したときに、一定条件のもとに個人の希望により、個人で継続して加入できる制度です。
2年間使用することができ、保険料は退職時の標準報酬月額に基づいて決定されます。

② 国民健康保険
 お住まいの市町村が運営する健康保険制度です。
 保険料は前年度の所得や世帯人員数に応じて決定されます。
 減免制度に該当すれば、保険料が安くなる場合があります。

③ ご家族の健康保険の扶養
 被扶養者として加入します。
 収入要件などが設けられているので、それぞれの健康保険組合等にお問い合わせください。

よく「退職後の傷病手当金(3-2参照)をもらっているので②や③の選択はできないですよね」という質問を受けます。

ご安心ください。
国保や家族の健康保険に加入したことを原因に、傷病手当金がストップすることはありません。

   

失業手当

失業手当(雇用保険の基本手当)は、原則、離職日の翌日から1年以内の失業している日について、一定の日数分支給します。

しかし、このケースのように、退職後も労務不能の状態が続いており、傷病手当金を引き続き受給する場合は、1年以内に失業手当を受給することが難しくなってきます。

そこで登場するのが「受給期間の延長申請」です。

受給期間内に、病気、ケガ、妊娠、出産等 の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない場合は、ハローワークに申請することにより、受給期間に職業に就けない期間を 加えることができ、受給期間を最長で離職日の翌日から4年以内まで延長することができます。

就労可能な状態まで回復してから失業手当を申請し、じっくり求職活動をすることができますね。

参考サイト:受給期間延長の申請期限を変更します

 

確定拠出年金

一般的に、確定拠出年金といえば、一定の年齢に達した後にもらえる老齢給付金のイメージが強いと思います。

しかし、確定拠出年金には、老齢給付金の他に、障害給付金、死亡一時金及び脱退一時金(例外)の制度もあるのです。

老齢給付金の請求可能年齢が60歳以上(加入期間による)なのに対し、障害給付金は、要件を満たせば何歳でも請求が可能です。

ただし、障害を持った加入者が誰でも請求できるわけではありません。
傷病等によって高度障害の要件に該当することとなった場合に障害給付金を請求することができます。

高度障害の要件とは・・

◇ 障害基礎年金の受給者(1級および2級の者に限る)
◇ 身体障害者手帳(1級~3級までの者に限る)の交付を受けた者
◇ 療育手帳(重度の者に限る)の交付を受けた者
◇ 精神保健福祉手帳(1級および2級の者に限る)の交付を受けた者

本依頼のケースでいうと、障害厚生年金2級(障害厚生年金+障害基礎年金)の受給者かつ精神保健福祉手帳2級保持者に該当するため、高度障害の要件はクリアしています。

一方で、60歳を超えていたので老齢給付金の選択も可能でしたが、老齢給付金は課税対象なのに対し障害給付金は非課税であることなどを総合的に検討し、障害給付金を請求することとしました。

  

まとめ

障害年金請求手続きは無事に終了。
では、お元気でさようなら・・・というわけにはいきません。

「傷病手当金」
退職したら終了ではありません。
要件を満たせば退職後も受給可能です。

「保険証」
退職に伴い、保険証の切り替えが必要です。
任意継続?国保? 本人負担額を考慮し慎重に検討する必要があります。

「失業手当」
就労可能になるまで、受給期間の延長をしておきましょうね。

「確定拠出年金」
通常は一定年齢に達しないと受給できませんが、障害を抱える場合、障害給付金の請求が可能となります。
きちんと内容を確認して、本人に合った受給の仕方を慎重に選択しましょう。

他にも、何年後かに老齢年金との選択が必要になるなど、手続きはしばらく続きます。

障害年金にだけ照準を合わせると、他の大事なことを見落としがちです。
関係する制度全体を見渡し、より良い選択をしてくださいね。

  

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